20100721
2010年7月21日 14:52 - cityside - streetcorner (dish life)
神田、並木、池之端の薮蕎麦御三家は、いずれ劣らぬ名店だけれど、つまみや季節ものを楽しむならば、「かんだやぶそば」がいい。夏は、「新生姜のかき揚げ」も美味いが、なんといっても「冷やし茄子そば」が絶品。出汁と蕎麦を焼き茄子の芳ばしい香りが包み込み、茗荷、生姜、酢橘、オクラが、五感にさわやかなアクセントとなる。新潮文庫が似合う数寄屋造りの店内、茄子の香りがほんのり移った蕎麦湯は、なんとも言えない情感を誘い、そうした1つ1つのパーツの味というより風味としか言いようのないもの(「かんだやぶそば」は一貫して「風味」なのだ)が、全体として1つの夏を現出させる。そういうわけだから、変わり蕎麦をあまり好まない僕にとっても、「冷やし茄子そば」は掛値なしの夏の風物詩となっている。社会的な時間観念をわざと跨いで、夕暮れ前の4時頃から神田須田町(淡路町)で「練りみそ」をつつきはじめることをおすすめしたい。
H.



