2008年の「お会式」
2008年10月21日 22:08 - cityside (life)
毎年10月12日は、池上本門寺でお会式(「おえしき」と読む)という年中行事が行われ、纏衆と万灯(日蓮が亡くなったときに咲いたという桜の花飾りを付けた神輿のようなもの)とともにオフィスから本門寺までを時間をかけて練り歩く。いわゆる、万灯行列だ。もともとは日蓮の命日の法要と先祖供養の為の宗教行事だが、夜中まで途絶えることのない百数十基の万灯を数え切れない屋台と50万人の見物客が囲む有様は、祭以外の何ものでもなく、子どもの頃はその賑わいと闇と光が織りなす怪しさにドキドキしたものだ。
万灯行列への参加をはじめたのは(正確には「講元」と呼ばれる万灯のオーナーとして参加をはじめたのは)祖父母で、もう60年になるという。その間、彼らは2人の息子をはじめとする何人かの親族を失い、万灯行列は文字通り墓参りの道となった。その祖父母も高齢になり、ここ数年は行列を見送るだけ。それとともに、また一年、祖父母が命をつないだことを先祖の墓前に報告するのが、僕の個人的な習慣となっている。そして、年を追う毎に、一見しただけでは祭にしか見えないこの行事の精神性が「喪」にあることを、身に滲みて思うのだ。あるいは逆説になるけれど、やはり祭とは「こちら」と「あちら」をつなぐもの、ということなのだろう。
ところで、行列の最中が意外と暇だということもあって、気候、つまり温暖化が毎年の話題となる。実際、ここ20年間を見ただけでも気候の変化は驚くほどに顕著なのだが、お会式にとっての20年はまだまだ新参。なにしろ、かつて2度、雪が降ったということがお決まりの語り種なのだ。
H.



