ダウンタウンの河豚料理屋
2008年1月23日 10:28 - cityside (dish)
環状3号線を六本木を背に、十番稲荷神社の鳥居を過ぎて右に入り、
斜向いのトラットリア・キオラにウインクをして、
約1年ぶりにその店の暖簾をくぐった。
谷地ならではの店構えからは想像もつかないのだが、
この店の河豚は、そんじょそこらの河豚とは違う。
そんじょそこらとは、
薄造りはヒラメよりも淡白で、鍋は雑炊の為の出汁を取るだけ、
唐揚げは鶏肉のそれで、白子はタラと何ら変わるところがない、
という河豚に似たナニカのことだが、
この店の河豚は、全ての部位の味と食感に明確な違いがあり、
その部位と対応したシンプルな調理法には必然性がある。
お陰で、河豚料理という独立した分野がある理由がよくわかる。
なかでも河豚ちりの粗は絶品で、
骨や筋肉毎に、こんなにも食感が違うものかと驚く。
もちろん、季節によっては期待通りでないこともあるが、
概ね、ここの河豚を食べるということは、
河豚と、いや自然と格闘することであり、
あんなちっぽけな魚一匹に、真剣に疲れるのだ。
この店に1年に1度しか来れないのには、金額の他にもこのような理由がある。
H.


