街は積み重ねられてゆく - hiroto-town.com
homeAbout   cityCity-side   creativeCreation-side   seaSea-side   streetStreet-corner
SOCIOMUSE

SOCIOMUSE

多摩川アートラインプロジェクト

多摩川アートラインプロジェクト

« 併存する時間 | TOP PAGE | 彫刻をめざして »

雨が輝く建築

2007年7月17日 09:48 - creationside (architecture)

梅雨なので、
少しは、雨について書こう。

今年の春、滋賀県立近代美術館で『志村ふくみ展』を見た帰りに、
十数年ぶりで、醍醐寺を訪れた。
枝垂れ桜にはまだ少し間があったし、如何せん雨だったので、
特段期待するところのない、ただの暇つぶしのつもりだったのだが、
そうした心持ちを直ぐに後悔させる程、
無彩色に煙った杉林を背景に、
早咲きの桜の淡いピンクと、雨に濡れて光り輝くコケのグリーンとの対比が織りなす
鮮やかにして幽玄な世界は、それはそれは素晴らしかった。

薄暗い室内の先に水平に切り取られた外部空間は、
光り輝くコケと石によって、十分な明るさを放ち、
そこを、無数の雨筋が光を乱反射させながら垂直に分割してゆく。
同時に、雨が生む様々な音
(池の水面を叩くサーッという音、軒下を伝うポツポツという音、
風が樹木から雫を散らすサラサラという音)、
様々な匂い(土や植物の匂い、建築材の年月を伴った匂い)が、
内外から立ち上り、反響して、一つの世界となって僕を取り囲む。

そう、至極当然のことではあるが、
この国の建築、暮らしにとって、
雨は豊富なテクスチャーとニュアンスを引き出す
楽しみと発見に満ちたものだったのだ。
「雨とともにある風土。」

その思いは、新たに造成された新興住宅地の
建て売り一戸建ての精神が抜け落ちた「京都風」の造作や
坪庭が並ぶ駅までの遊歩道を通り抜けた後でも、変わらずに残り続けた。
僕は、ホテルに戻り、次の歌を『志村ふくみ展』で買った絵ハガキに認めた。

花は散りその色となくながむればむなしき空にはるさめぞ降る(式子内親王)

志村ふくみ

H.

About Tanaka Hiroto

Self-Consciousness:
エリアデザイナー、活動家、小説家
Job:
エリアデザイン、市民活動、企業経営
Lifework:
海、アート
Hobby:
散歩、写真、ピクニック
Longing:
FMのナビゲーター、海賊

さらに表示

Public Comments

29th Birthday
2009年4月11日 16:04 - 誕生日のお祝い、 心温まるメッセージを、 どうもありがとう。 交差点のビルボードのフィクション、 高速道路沿いを流れるネオンサイン、 ヘッドライトのなかの恋人たち、 ガードレールの落書き、 どこからか漂う沈丁花の匂い。 それら、すべての街の... [ 続きを読む ]

多摩川アートラインプロジェクト2007を振り返って
『サウンド・アンビションコンサート』に寄せて
アートラインウイーク2007の会期を終えて
アートラインウイーク2007開幕の朝に
Baby, 明日からは大丈夫
さらに表示

Special Contents

Tokyo Song Book
coming soon

Long Sleeper
coming soon

映画から遠くはなれて
coming soon


Copyright (C) 2007 タナカヒロト Hiroto Tanaka / hiroto-town.com. All rights reserved.

hiroto-town.com banner
hiroto-town.com project powered by UPWEST.ORG